子供の頃、公園に行けば誰かしらがいた。誘われるままよその子の家に上がり込んで、好き放題遊んで帰る。そんなことが普通にまかり通ってた。

今思えば、なかなか迷惑な子供だったと思う。でも逆もしかりで、向こうもこっちの家に同じことをしてくる。だから「お互い様」で全部チャラになってた。誰の親も、よその子が上がり込んでくることをそこまで深刻に考えてなかった気がする。

「お互い様」が消えて、管理の時代になった

今は違う。子供を遊びに行かせるにも「親同士が繋がってないとダメ」だとか「約束した日じゃないと家に入れない」みたいな話をよく聞く。

送り出す側なら、相手のお宅に迷惑をかけたらどうしよう…
迎い入れた側なら、出したおやつにアレルギー物質が入っていたら…
考え出すとキリがない。

わかる。すごくわかる。自分の子供にとても気をかける時代だ。よその子にも同じように気を遣わないと、なにかあってからではもう遅い。昔みたいに「お互い様だから」で流せる空気は、もうあんまり残ってない。

だから親が子供を管理する。これ自体は否定しようがない。問題はそのあとだ。

子供は「もっと友達と遊ぶ方法」を勝手に見つけてくる

管理されてる子供は、子供なりに考える。「もっと友達とたくさん遊べる方法はないかな」と。

たとえばLINE。スマホがないとアカウントが作れないはずなのに、いまや小学生でも普通に持ってる。でもここでまた親の目が光る。

「親同士が繋がってないと……」

子供からすると、親がいつ、どうやってLINEで繋がるのかなんて、まったくわからない。繋がりたい子の名前を出すと、返ってくるのは「いますぐは無理だから、少し待っててね」。

大人にとっての1〜2週間はあっという間だ。でも子供にとっての「少し」は、たぶん30秒くらいだったりする。とにかく早く繋がってくれ、と心の中で叫んでるに違いない。

そしてやっと繋がったと思ったら、今度はその友達から「グループ」というものに誘われる。とりあえず入ってみたら、他にもたくさんの友達がいる。たぶんウチの親は、その子たちの親とは繋がってない。

でも、目の前に友達がいて声をかけられて、何も返さないなんてできない。シカトしたと思われて嫌われたら困る。子供にとってはそっちのほうがよっぽど切実だったりする。

Robloxで起きること

別の切り口でも書いておきたい。

子供が「Robloxやりたい」と言い出した。どうやら学校で大流行らしい。さすがにそれは遊ばせてやらないとかわいそうだと、アカウントを作ってあげる。うんうん、楽しそうにやってる。

ところが数日して様子を見ると、ボイスチャットをしながら遊んでるじゃないか。そんな機能があるなんて聞いてない。しかも声の相手は学校の友達だけじゃなく、見ず知らずの子も混ざってる。めまいがしてくる。

これも、与えたあとに初めて見える景色だ。ボイスチャットがあることも、知らない子と繋がれることも、与える前には誰も教えてくれなかった。

与えることより、「何をもたらすか」を知らないことが怖い

このご時世、親が管理することは必要だと思う。それは間違いない。

ただ、与える前に「それが子供に何をもたらすのか」を考えないままでいるのは、親の怠慢と言われても仕方ない。LINEにグループがあることくらい、親はみんな知ってる。問題はそこじゃない。自分の子が、知らない親の子だらけのグループに引っ張り込まれる——そこまで想像できたかって言われたら、きっと難しい。Robloxのボイスチャットに至っては、機能の存在すら知らずに渡してる。順番が逆になってる。

ここで少し見方を変えてみたい。

オンライン上の友達が、見ず知らずとはいえ明らかに子供だった場合。害は、思っているより少ないと考えられないだろうか。大人が子供のふりをして近づいてくる怖さはある。でも、相手が本当に子供同士なら、リスクの種類は変わってくる。

そのうえで、ひとつだけ約束しておくといい。

互いの個人情報は、絶対に言わない。

名前も、住んでる場所も、学校も、写真も。これだけは何があっても出さない。そしてその約束には、必ず理由を添える。「ダメだから」だけだと、子供は守らない。「これを言うと、知らない大人に家を特定されることがあるからだよ」と、なぜダメなのかをセットで渡す。理由のない禁止は、隠れてやる動機にしかならなかったりする。

与え方を間違えなければいい

結局のところ、子供にLINEやRobloxを与えることそのものが悪なんじゃない。与え方を間違えることが悪なんだと思ってる。

公園で知らない子と遊んで帰ってきた時代も、危なくなかったわけじゃない。ただ、「知らない人にはついていかない」くらいのことは、親に口うるさく言われてたはずだ。オンラインでも同じことをやればいい。場所が公園から画面に変わっただけだ。

繋がるのを止めるんじゃなく、繋がり方を一緒に決める。それができるなら、オンライン上の友達も、人との正しい付き合い方や距離感を学ぶ機会として、ある程度は許すという選択肢もあるのかもしれない。

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